皆さんは何でもかんでも部下にメールをCC入れて、情報共有していませんか?こう言うと、以下のような意見が飛んできそうですね。
一見すると正しそうに見えるメールCCですが、実はあなたが上司だった場合は、全てのメールを部下にCCする必要はないんです!
この記事を読めば、上司であるあなたは、何でもかんでもCCするのではなくて、1つ1つのメールの内容を吟味して、部下のレベルや環境に合わせて、メールをCCする重要性が理解できると思います。また、この技術の根底には、労働の生産性の向上というテーマが隠れていることも合わせて理解できると思います。
特に部下を持ち始めた30代前半くらいの社会人の方にぴったりの記事かと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
メールのCCの使い方って結構奥が深そうだね
そうなんだよ。メールのCCの効果的な使い方を理解すれば、労働の生産性も向上するんだ。
「CC」の効果的な使い方:まずは「To」、「CC」、「BCC」についておさらい
まず、大前提となるメールの「To」、「CC」、「BCC」についておさらいしておきます(こんなの知っているよ!という人は、次の見出しに移っていただいて構いません)。
「To」
「To」は英語の意味のとおり、その人宛に送る場合に使用します。「To」が1人の場合もありますが、「To」が複数の場合もあります。
基本的に「To」でメールが来た場合は、そのメールに返信するか、メールの中身を読んで、何らかしらの対応をする必要があります。
これはメールの基本だよね。
「CC」
次にこの記事のテーマである「CC」です。
「CC」は基本的に、「「To」の人に送ったメールを参考までにみておいてね」というものです。そのため、基本的に「CC」でメールが送られてきた人は、そのメールに返信をする必要はありません。
また、「CC」でメールを送ると、「To」の宛先の人や他の「CC」の宛先の人も、誰が誰に送ったメールかが分かります。そのため、「CC」には、「To」の人に対して、「この人たちにも「CC」しておいたからね!」という意味も含まれています。
あと、時々、宛先がCCでメールを受け取った人が、「横から失礼します」という感じで、メールに割って入って来ることがあるけど、あれはあまりオススメしませんね。
なぜなら、「To」でメールを送った、もしくは「To」でメールを送られた人があくまでそのメールのメインであって、「CC」の人はあくまでサブだからです。サブ役に割って入られたら、メインとしてはあまりいい気分にはならないのは当然なので、よほどの重要なことでない限り、CCの人がメールに割って入るのはやめましょう。
僕の職場の同僚がまさにこのCC横入りタイプ(Sさん)で、すごく迷惑しているよ。
「BCC」
最後に「BCC」です。「CC」のメールでは「To」や「CC」の宛先の人も、誰に送ったメールかが分かってしまいますが、「BCC」は他の人に知られずに、メールを共有しておきたい相手に使うことができます。
例えば、不特定多数のメールの一斉送信や、「上司に送ったこのメールを、○○さんにもこっそり共有しておくわ!」というときに「BCC」を使います。
さすがに、先ほどの「CC」のSさんと違って、「BCC」でメールに横入りしてくる人は見たことがないですね。
「CC」の効果的な使い方:メールの内容を3パターンに分ける
以上の知識を前提として、上司から部下にCCでメールで送るパターンを3つに分けてみます。
なお、この上司は係長くらいの立場の人で、この上司の係が2つあり、部下がそれぞれ2人ずついる状況を想定しています。
共有すべき内容のあるメールには「CC」を使う
まず、共有すべき内容のあるメールです。
基本的には、部下が対応する仕事に関係するメールは必ず共有しなければいけません。例えば、A係が主担当である仕事に関係するメールは、当然、そのA係に属するTさんには共有する必要があります。
また、直接的には関係がなくても、自分がいないときに、部下に対応してもらう必要がある仕事や、将来的に担当してもらおうと考えている仕事に関するメールは、「CC」で共有すべきでしょう。
この「CC」の使い方は実践している方も多いと思います
共有してはいけない内容のあるメール
その一方で、上司から部下に共有してはいけないメールもあります。
例えば、(こんな間抜けな係長はいないと思いますが)係長から上司に送付しなければならない部下の人事評価や、部下のレベルでは知る必要のない組織の機密事項などについては、間違って「CC」で部下に共有してはいけません。
さすがにこんな間抜けな人はいないよ
でも、僕の職場のSさんみたいに、個人情報をパスワードもかけないでメール送信することもあるから、メールを送信するときには細心の注意を払おうね
問題は「共有しても、共有しなくてもどちらでもいい内容のメール」
さて、以上の2つのメールはそれほど問題になりません。なぜなら、どちらも大変明確で分かりやすいからです。
問題は、「共有しても、共有しなくてもどちらでもいい内容のメール」です。
共有してもしなくてもいいのなら、とりあえず共有しておけばいいんじゃないの?
ここは意見が分かれるかもしれないけど、そういう中途半端なメールはCCで共有する必要はないと思うよ。解説していくね。
共有しても、しなくてもいい内容のメールを「CC」してはいけない理由2選
それでは、この記事で一番読者の方に伝えたいことについて説明していきます。
メールは時間泥棒だから
まず、共有しても、しなくてもいい内容のメールを「CC」してはいけない理由の1つ目は「メールを読むのは、とにかく時間がかかるから」です。
職場には簡潔で明確なメールを書く人もいますが、だらだらと無駄に長いメールを書いたり、意味のない文章を付け加えたりする人もいます。とりわけ、後者の人たちが書くメールは、読む方も時間がかかります(それ以上に書くことに時間がかかっていますが)。
実際、マッキンゼーによると、ビジネスパーソンが1日の就業時間の内、28%もの時間をメールに費やしているという調査結果もあります。他の情報収集が19%、同僚とのコミュニケーションなどが14%と比較すると、とても多い時間をメールに費やしていることになります。
28%もの労働時間がメールに充てられているんだ。メールって時間泥棒だね。
また、メールを読んでいると、あたかも仕事をしているような雰囲気を醸し出せますが、実際、本来の自分の仕事とは関係のないメールを読んで、時間を潰している人も多いです(私の職場のSさんがまさにこのタイプで、自分の仕事より他人のメールを優先してしまうことも多々あります)。
このように1日の労働時間泥棒であるメールを1つでも減らしていければ、当然、そのメールを読んだり、返事をしたりする時間を他のことに使うことができます。
1日の労働時間は有限であるため、もっと大事に効果的に使っていきたいものです。
優先度の低いメールに埋もれて、優先度の高いメールを見落としやすくなるから
また、優先度の低いメール(もしくは関係のないメール)に埋もれてしまい、本来、対応すべきメールを見落としてしまうことがあります。
実際、私の部下のTさんに「○○という仕事のメールが来ていたけど、対応済み?」と聞くと、「すみません。見落としていました」ということが時々あります。
僕の隣のSさんもまさにこのタイプだね。だから、なるべく関係のないメールはSさんに「CC」しないようにしているんだ。
いくら部下が、自分の係ではない隣の係のことが気になっていても、このように全てのメールを処理することができないのであれば、そのメールは「CC」で共有すべきではないでしょう。
大事なことは、労働の生産性の向上
以上のとおり「共有しても、しなくてもいい内容のメールを「CC」してはいけない理由2選」について見てきました。この理由2選の根底には、「労働の生産性の向上」があります。
つまり、無駄なメールがCCされて来なければ、その分、本来の自分の業務のために、時間を回せますし、優先度の高い仕事にも集中することができます。
日本人は真面目なため、全てのメールを見ようとしますが、それは部下ではなく、上司の仕事です。部下は与えられた範囲内で、最大のパフォーマンスを発揮することに専念し、上司はその環境を整えることに注力していくべきです。
そうすれば、自然と部下の労働の生産性も向上し、チームとしての戦力も高まっていくでしょう。
メールCCの効果的な使い方【上司編】~まとめ~
いかがでしたか?全てのメールをCCする必要はない!理由をおさらいしておきましょう。
【まとめ】メールCCの効果的な使い方【上司編】
✅メールは時間泥棒。部下に直接関係のない内容なら、CCせず、その他の業務に集中してもらって方が効率的
✅優先度の低いメールに埋もれて、優先度の高いメールを見落としやすくなる
ところで、最近、今の職場の部下Tさんが「鈴木さんは、私たちに情報を共有してくれない」と愚痴を言っているのを、人づてに聞きました。正直、私はその部下が「全てのメールをさばけるほどの能力はまだない」と思って、メールを「CC」に入れていませんでした。
現状、そのTさんは、自分の係の仕事だけで精一杯で、定時には仕事が終わらない状態です。このような状態で、直接関係のないメールをCCしても、読み切れないし、Tさんの本来業務が疎かになってしまいます。
将来的に、Tさんが成長して余裕が生まれたら、CCしようかなと思っています。今後のTさんの成長に期待しています!
私の部下のTさんには、自分の仕事に専念して、専門性を磨いてもらいたいと思います!
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