フランスの大学では教科書はいらないから、大学生は教科書を買わない!について解説

フランス語コース
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 大学生の皆さんは、日本の大学に入学してから、高くて、重くて、ほとんど使わない講義の教科書を買わされたことないでしょうか。日本の大学生の方に大学の教科書について質問したら、以下のような声が聞こえてきそうですね。

「大学の教科書代って結構ばかにならない?」
「大学の教科書ってなんで必修の講義ごとに購入しないといけないの?」
「大学の教科書って本当に必要なの?教員は印税収入のために購入させているんじゃないの」etc

 私も皆さんの意見に完全に同意します。私もフランスに留学するまでは、皆さんと同じように無駄に教科書を買わされていました。しかも、講義が終わると、そういう教科書は読まないで、家に放置されて邪魔なんですよね。

 今日は、私が実際フランスで体験したフランスの大学の教科書事情について説明したいと思います。この記事を読めば、フランスとの比較で、日本がどれだけ教育にお金がかかるのかが相対的に分かるかと思います。

 現役の大学生の方にオススメの内容ですが、フランスと日本の比較という文脈でも面白い内容だと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ケイタ君
ケイタ君

フランスってほとんど教科書がないって聞いたけど、本当?

大学やコースによっても違うとは思うけど、僕が通っていた大学では指定教科書なんてものはなかったよ。

鈴木先生
鈴木先生
記事の信頼性

✅筆者は元国家公務員(元外交官)。フランス語圏アフリカなどに約8年間駐在経験あり
✅2012年~2014年までフランスに留学経験あり。
✅フランスの大学で国際関係修士号取得。フランス語による修士論文執筆。

この記事で分かること
・フランスの(国立)大学では基本的に指定教科書がないため、教科書代は不要
・学生は、教員が授業で話すことをメモし、そのメモが教科書替わりになる
・教科書事情1つとってみても、世界では事情が異なる

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フランスの大学では教科書はいらない理由:フランスの大学には、基本的に指定教科書はない

 結論から申し上げると、私が通っていた大学(正確には、グランゼコール。グランゼコールについては、別の機会に解説します)には、指定教科書はありませんでした。私の実例をもとに説明していきます。

私が通っていた大学とは・・・

 私は、フランスで以下の2つの教育機関に留学していました。

・フランス・トゥールーズ政治学院外国人コース(1年間)
・フランス・トゥールーズ政治学院国際関係・地政学修士課程(1年間)

 前者は通常の大学の授業を自由に選ぶことができて、その中で所定の単位数を習得すると、修了証書がもらえます。学歴には参入されませんが、修士課程などのコースに入学する前の準備期間として受講する留学生もいました。また、1年間の短期留学生用のプログラムとしても機能していました。

 後者は通常の修士課程コースです。修士課程のため、最終的に修士論文や民間企業などでのインターンが課されていましたが、その他は基本的に教員による講義形式の授業が多かったです。

教科書は一度も購入したことがない

 この2年間の間、私は一度も教科書を購入したことがありません。そもそも指定教科書というのはなかったですし、あったとしてもあくまでも参考図書でした。しかも、そのような参考図書は大体図書館にありました。

ケイタ君
ケイタ君

教科書なかったら、どうやって勉強するの?

 ケイタ君の疑問ももっともですね。フランスの場合、基本的に教員が話すことが教科書となります

ケイタ君
ケイタ君

うん?どういうこと??

 つまり、教員が話す内容を生徒がノートにメモしたり、パソコンに打ち込んだものが、教科書代わりになります。そのため、試験勉強はこのノートを頼りに勉強することになります。

これは衝撃だったね。教科書ないから、教科書代もかからないんだ。学費が安いフランスならではだと思ったよ。

鈴木先生
鈴木先生

 因みにフランスの国立大学の学費は10万円以下がほとんどでした(私が通っていたグランゼコールもそうです)。これこそ教育の機会均等と言えます。このくらいの学費なら、金銭的な理由で進学を飽きらめることはありませんね。

リスニングができないと、フランスの大学の授業にはついていけない

 教科書代が不要という面は大変ありがたいことではありますが、教員のフランス語を聞き取れなければ、その自前の教科書は完成できません。これは外国人留学生にはかなりハードルが高いものでした。

 私もリスニングが苦手だったため、毎回近くにいる見知らぬフランス人学生に自分のUSBを渡して、ノートをいただいていました。そのような優しいフランス人学生がいなければ、私のフランス留学はとっても悲惨なものになっていたでしょう。

鈴木先生
鈴木先生

見知らぬ外国人の私にノートのデータをくれるって、日本では中々ないことかなって思ったよ。

フランス人はパワーポイントをあまり使わない?

 ちょっと話が脱線しますが、私がフランスで授業を受けていたときに、フランス人の教員はあまりパワーポイントを使っていませんでした。「基本的に話すだけ」という人が多かったです。

 たまにパワーポイントを使う人もいましたが、講義の内容を詳細にパワーポイントに書き込むという人は稀で、参考資料をパワーポイントの画面にそのまま載せるといった感じに補助的に使っていた教員がほとんどでした。

 日本の大学の先生方が授業で詳細なパワーポイントを作っているのとは正反対です。日本人の先生(先生だけではなく、社会全体が)は、パワーポイントをちょっと使いすぎているかなと感じました。

鈴木先生
鈴木先生

確かにパワポのスライドがあると、スライドばかりに注意が行ってしまって、話を聞いていないこともあるよね。

 パワーポイントはあくまで補助的な資料として、もっと話自体で講義を進めた方が面白いんではないかと個人的には思います(私が人前で話すときも、あまりパワポに頼らないようにしています)。

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日本には印税目当てで評価を甘めにしている教員もいる・・・

 フランスに比べて、日本は国立大学でも学費が60万円以上する上に、指定教科書代やら自治会費やらあれこれとお金がかかります。この記事のテーマである指定教科書代は、個人的に「隠れた学費」と呼んでおり、若い学生には教科書代だけでもかなりの負担かと思います。

 私が通っていた大学の教員は、とあるゼミの飲み会の席でゼミ生に対し、「私がどうして仏の○○○と呼ばれているか知っているかい?仏になれば、私の授業の履修者が増える。履修者が増えれば、私の教科書の購入者も増える。そうしたら、私に入ってくる印税収入も増える」と言っていました。

 こんな教員ばかりでないことを祈りますが、指定教科書によって儲かっている人がいることは確かかと思います。全然学生ファーストではないですね。

 私はフランスの制度や仕組みが全て日本より優れているとは全く思っていませんが、大学の教科書代に関しては、日本はフランスの仕組みを見習った方がいいと思います。少しでも大学にかかる費用を軽減して、経済的に豊かでない人にも大学での学びの機会を提供されるようになると嬉しく思います!

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フランスの大学では教科書はいらないから、大学生は教科書を買わない!~まとめ最後に~

 どうでしたか?最後に今日の記事のおさらいをしておきましょう。

本日のまとめ
✅フランスの(国立)大学では基本的に指定教科書がないため、教科書代は不要
✅学生は、教員が授業で話すことをメモし、そのメモが教科書替わりになる
✅教員のフランス語を理解しないといけないため、リスニング力は求められる
✅日本もフランスの大学の教科書の仕組みを見習ってほしい

 日本の大学の教科書代って高いって思いませんでしたか?この記事は「国際理解教育」にカテゴリーしていますが、このように教科書1つとってみても、日本と海外では実情が結構異なります

 日本で当たり前のことでも、海外では当たり前じゃないということはたくさんあります。教科書だけでなく、ありとあらゆるものが違っているのが海外であり、それを理解するのが真の国際理解です

 皆さんも積極的に海外に留学に行って、日本との違いを大いに体験してみましょう!

フランス語を勉強したい!と思った方はこちらをどうぞ!

【参考】フランス留学での驚きと発見が満載の電子書籍を発売しました!

フランス留学で私が受けた驚きや発見などを1冊の本にまとめました!今回の教科書不要やパワーポイントの話以外にも、興味深いことをたくさん紹介してますよ!

鈴木先生
鈴木先生
ケイタ君
ケイタ君

うわ!すごく興味深い内容だね。早く読みたいよ。できたら無料で読む方法はないかな。

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鈴木先生
鈴木先生
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鈴木先生
鈴木先生

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