国家公務員の留学情報が見つからなくて困っている人
✅国家公務員の留学制度を調べているんだけど、まとまった情報が見つからなくて、困っているよ
✅留学するならどこの省庁で留学するのがいいのか分からないよ
✅留学するなら総合職を目指した方がいいって聞いたけど、本当か知りたいよ。
✅留学中にもらえる給料と海外留学手当がどれ位なのか知りたいよ。
今日はこういった疑問について答えていくね
✅本記事のテーマ
国家公務員の留学制度(外務省、人事院、省庁独自)と給料等について徹底解説!
✅本記事の構成(お急ぎの方はこちらからどうぞ)
1.国家公務員の留学①:外務省のケース
2.国家公務員の留学②:人事院留学制度
3.国家公務員の留学③:各省庁独自の留学制度
4.留学中に給料はもらえるか?
5.注意点:留学後5年未満で退職すると、留学費用を返還する必要がある
6.語学力(特に英語)に不安を感じる方はどうすべきか
7.まとめ
✅読者の皆さんへの前置きメッセージ
本記事は、「国家公務員として絶対に留学したいけど、まとまった情報がなくて困っている人」向けに記事を書いています。
この記事を読めば、国家公務員の留学制度について理解を深めることができるでしょう。留学できる人の数は多くありませんが、それでも1年間や2年間、公費で留学することができる制度は大変魅力的ですね。
この記事が一人でも多くの国家公務員の方、国家公務員を目指す方に届き、海外留学の夢を目指していただけると嬉しく思います!
国家公務員の留学①:外務省のケース
それではまず、外務省での留学のケースについて解説していきます。外務省の総合職・専門職なら全員最低2年留学をすることができるため、国家公務員で絶対に留学をしたいのならば、ぜひ外務省への入職を考えてみてください!
総合職・専門職なら全員最低2年留学する
まずは総合職(キャリア)の留学期間や研修語を見ていこう。
次に専門職の留学期間や研修語を見てみましょう。
それぞれの特徴を簡単にまとめると、以下のとおりになります。
外務省留学制度(総合職・専門職)の特徴
✅外務省総合職・専門職なら確実に最低2年間は留学できる。
✅総合職は主要言語、専門職は主要言語に加えて、マイナー言語を勉強することができる。
✅主に各国の大学・大学院に留学する。
全員2年間留学できるんだね!留学する国はどうやって決まるの?
まず外務省から内定時に勉強する言語が言い渡されるから、それでほぼ留学する国も決まるよ。
例えば、「あなたの研修語はフランス語です」と言われれば、あなたはフランスに留学することが決まります。また、英語でも米語、英語、豪語といった感じで、留学する国が異なります。
なるほどね。あと、なんで言語や職種によって留学期間が異なるの?
ケイタ君、いい質問ですね(笑)。
総合職の場合、中国語、ロシア語、アラビア語が3年間留学ですよね。実は、最初の2年間はそれぞれの研修語を勉強しますが、最後の1年間はイギリスなどで英語を勉強します。
また、専門職の場合はアラビア語のみ3年間留学できますが、こちらは一部の人が3年目にフランス語をフランスで勉強するケースもありますが、多くの人がアラビア語を3年間勉強します。それだけアラビア語の習得は難しいってことですね。
一般職(3種)にも在外語学研修制度がある
総合職と専門職はなるのが難しんでしょ?他に留学ができる外務省の職種はないの?
それなら外務省一般職(3種)がオススメだよ。一般職にも在外語学研修制度が設けられているんだ。
では、まず一般職(3種)職員の在外語学研修の概要について見ていきましょう。
外務省一般職の方は、入省後3年から4年をしたら、在外語学研修(留学)に行くことができます。留学先ははっきり書かれていませんが、研修で勉強できる語学が「英語、フランス語、スペイン語、中国語、ロシア語、ポルトガル語のうち1言語(外務省HPより)」であることから、以下の国だと推測できます。
実際、外務省一般職採用パンフレットにはスペインのバルセロナの語学学校に留学していた人が紹介されているね(詳しくはこちらをどうぞ)。
一般職の人でも主要先進国で語学留学できるんだね。期間はどれくらいなの?
外務省一般職採用パンフレットには9か月って書いてあるね。あと、留学先は語学学校がほとんどみたいだよ。
ただ、外務省でも一般職(3種)の人が全員語学留学できるってわけではありません。
でも、外務省なら高卒の一般職(3種)の方でも全員海外勤務ができます!海外勤務をしながら、現地の語学学校などに通うこともできるので、外務省一般職の仕事内容などが気になる人は、こちらの記事をご覧ください。
国家公務員の留学②:人事院留学制度
続いて、人事院の留学制度について解説をしていきます。いずれの制度も各省庁の推薦に基づいて、人事院が選考して、対象者が決定します。
また、基本的に「在職期間が10年未満」といった対象職員であれば、誰でも申し込むことができる制度です。
行政官長期在外研究員制度
それでは、行政官長期在外研究員制度について見ていきましょう。まずは人事院のHPでの説明を見ていきます。
行政官長期在外研究員制度
国際的視野を持ち、複雑・多様化する国際環境に的確に対応できる行政官の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を諸外国の大学院(修士課程又は博士課程)に派遣し、研究に従事させます。
人事院HPⅡ派遣研修より
次に対象職員や派遣先について見ていこう
留学の条件や派遣期間は?
次に留学の条件や派遣期間などについて見ていきます。
対象職員:在職期間が10年未満(博士号取得のための派遣は在職25年未満)
派遣先:米英仏独など主要先進国の大学院等(派遣先国大学院の情報はこちらからどうぞ)
派遣期間:2年間(本人が希望して1年制の大学院等に1年間留学することも可能)
先進国の大学院に2年間も留学できるのは魅力だね。みんな何を勉強しているのかな?
みんな自分の省庁に関連する分野を専攻しているね。詳しくはこちらの表を見てみて!
なるほど!あとさぁ、毎年何人くらい派遣されているか知りたいよ。
以下の人事院の年次報告書を見てごらん。
令和元年度には合計141人の国家公務員がこの制度を利用して、海外留学を果たしました。やはり留学先としてアメリカがダントツで人気なのが分かりますね。
行政官短期在外研究員制度
続いて、行政官短期在外研究員制度について解説していきます。まずは人事院のHPでの説明を見てみましょう。
行政官短期在外研究員制度
人事院HPⅡ派遣研修より
諸外国において専門的な知識、技能等を習得させることにより、増大する国際的業務に適切かつ迅速に対処し得る人材の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を諸外国の政府機関等に派遣します。
次に対象職員や派遣先について見ていこう。
留学の条件や派遣期間は?
次に留学の条件や派遣期間などについて見ていきます。
対象職員:在職期間がおおむね6年以上、かつ係長級以上の行政官
派遣先:諸外国の政府機関、国際機関、大学院等(米英仏豪シンガポールなど)
派遣期間:半年から1年間
最低半年間は先進国に留学できるんだね。みんな留学先で何を勉強しているの?
行政官短期在外研究員制度の案内に研究課題の一例が載っているよ。
みんな、自分の省庁の専門分野を研究しているんだね。あと、毎年何人くらい派遣されているか知りたいよ。
以下の人事院の年次報告書を見てごらん。
令和元年度の派遣者数は19人ですね。長期制度と比べると少ないですが、主要先進国以外の国にも留学しているのが大きな特徴だと言えます。
米英仏独など主要先進国への留学
次に気になる留学先ですが、先ほどの人事院年次報告書からも分かる通り、やはり米英仏独などの主要先進国への留学がほとんどですね(留学先トップはやはりアメリカですね)。
外務省の場合は、言語の習得が留学の最大の目的のため、クロアチア語、ポーランド語などのマイナー言語(ちょっと失礼ですが)の国への留学もありますが、他省庁の留学の場合は、語学に加えて、専門分野の研究も大事な目的のため、米英仏独などの先進国への留学がほとんどです。
ただ、行政官短期在外研究員制度では数は多くないですが、タイ、スリランカ、ノルウェーといった国にも留学することができます。もしこのような留学先としてあまりメジャーではない国での留学を考えている人は、行政官短期在外研究員制度を利用するのがいいでしょう。
外務省とは違って、米英仏独など主要先進国への留学がほとんどだね。
留学するのは、総合職(キャリア)職員がほとんど
人事院の留学制度が充実しているのは分かったけど、留学できるのは総合職(キャリア)職員が多いのかな?ノンキャリア職員は難しいのかな?
はっきりとした統計があるわけではないけど、僕が留学していたときに出会った他省庁の留学者は全員、総合職(キャリア)の人たちだったね。
各省庁から派遣される職員は総合職(キャリア)職員が多いと思われます。もしノンキャリアで海外留学をしたいと考えている人は、外務省専門職や一般職を目指すのがいいと思います。詳細は以下の記事を参考にしてください。
また、海外勤務をしながら、語学を勉強することもできます。海外勤務でもいいから、海外に行きたい!と考えている方は以下の記事を参考にしてください。
国家公務員の留学③:各省庁独自の留学制度
最後に各省庁独自の留学制度についてみていきましょう。
各省庁独自の留学制度の一覧表
まずは、総務省HP「研修ごとの年度別留学開始状況」をご覧ください。
色んな省庁が独自の留学制度を持っているんだね。
そうだね。でも外務省の留学人数が圧倒的に多いのが分かるよね。
人事院の留学制度にしろ、各省庁独自の留学制度にしろ、留学できる人は限られています。そのため、「国家公務員で絶対に留学するんだ!」という人は、外務省への入省をオススメします。
なお、外務省の留学制度は基本的に新入省員向けのもののため、中途採用者には長期間の在外研修(留学)の機会は基本的にありません。
留学中に給料はもらえるか?
留学中も国家公務員としての給料がもらえるって聞いたけど、本当なの?
給料だけではなく、海外留学の手当ももらえるんだ。給料と海外留学手当それぞれ説明してくね。
留学中にもらえる給料の概要
まず、私が外務省の職員として留学していたときにもらっていた給料の概要について説明していきます。恐らく他省庁の方も大体同じだと思うので、ぜひ参考にしてみて下さい。
まずは支給される給料を見てみましょう
支給される給料(日本の給与口座に支給されます)
1.本邦給料
2.扶養手当(対象者がいる人のみ)
3.賞与(期末・勤勉手当)
基本的に日本で勤務していたときの本邦給料が日本の給与口座に支給されます。ただし、超過勤務手当(留学中は残業することはないですからね)、住居手当、本府省業務調整手当などは支給されません。
留学中にもらえる海外留学手当の概要
次に、留学期間中にもらえる海外留学手当の概要を見てきましょう。先ほど説明した給料に加えて、この海外留学手当ももらえるため、金銭的な不安がほとんどない状態で、留学生活を満喫することができます。
次に海外留学手当について見ていきましょう。外務省の研修員手当を例に概要を説明していきます。
外務省研修員手当月額(研修国別)
アメリカ:320,700円
イギリス:276,700円
フランス:254,700円
ドイツ :254,700円
中 国:342,700円
タ イ:254,700円 etc
研修員手当の号の適用に関する規則(昭和四十四年外務省令第八号)から抜粋
うわぁ!こんなに毎月もらえるの!?公務員の留学制度ってすごく恵まれているね。
そうだね。公費で留学させてもらうんだから、その留学の成果や経験を留学後に職務で生かすことが強く求められているんだ。
こんなに給料がもらえるなら、絶対国家公務員で留学したいけど、自分の語学力じゃ無理かな。。。
そういう人には、TOEIC対策の参考書か、オンライン英会話でスキマ時間に勉強することをオススメするよ。以下の記事を参照してみて。
注意点:留学後5年未満で退職すると、留学費用を返還する必要がある
国家公務員の留学制度はとっても恵まれているけど、留学後5年未満で退職をしてしまうと、留学終了後の在職期間に応じて、その留学費用を一定の割合で返還しないといけないんだ
では、留学費用償還制度について見ていきましょう。
留学費用の返還対象者・返還金額の概要
まず、留学費用の返還対象者と返還金額の概要を見ていきましょう。以下の人事院HPによる説明をご覧ください。
留学中もしくは留学終了後の在職期間が5年未満で退職した人は、留学費用の全額もしくは留学終了後の在職期間に応じた留学費用の1部を返還しないといけません。
また、留学費用とは、その間に受け取った研修手当・旅費などのことを指します。
なお、以下の場合は、返還の義務を課す「離職」や「在職期間」に含まれないので、要注意です。
※1 償還義務を課す「離職」に含まれないもの
・ 死亡による離職
・ 分限免職のうち公務災害・通勤災害による心身故障の場合 or 廃職・過員の場合
・ 人事交流のための退職 等
※2 「在職期間」に含まれないもの
・ 私傷病による病気休職の期間
・ 停職の期間
・ 育児休業の期間 等
実際、いくら返還しなければいけないのか。
実際、留学終了後にどれくらいの金額を返さないといけないの?
以下の表を見てごらん。1年ごとに返還額が2割ずつ減って行って、5年経過して、返還額がなくなるというイメージだよ。
なるほど、留学後の在職期間に応じて、留学費用の返還額が減っていくんだね。
そうだよ。国民の皆さんの税金で留学させてもらうんだから、当然の制度だよね。
語学力(特に英語)に不安を感じる方はどうすべきか
僕も早く国家公務員として留学したいけど、自分の語学力が不安なんだよね。。。
そんなケイタ君には以下の記事を参考にしてみてね。参考までに記事のリンクを貼っておくよ。
国家公務員で留学する人は、留学前にかなり英語を勉強しているよ。忙しい国家公務員でもオンライン英会話なら自分の予定に合わせて、ムリなく英語続けられるよ。
オンライン英会話なら、自分のペースで勉強できるね!
国家公務員の留学制度(外務省、人事院、省庁独自)・給料等について徹底解説!~まとめ~
いかがでしたか?ちょっと情報量が多かったので、最後に今日のまとめをしておきましょう。
今日の記事のまとめ
1.国家公務員の留学①:外務省のケース
総合職・専門職なら全員最低2年留学する
一般職(3種)にも在外語学研修制度がある
2.国家公務員の留学②:人事院留学制度
行政官長期在外研究員制度
行政官短期在外研究員制度
米英仏独など主要先進国への留学
留学するのは、総合職(キャリア)職員がほとんど
3.国家公務員の留学③:各省庁独自の留学制度
各省庁独自の留学制度の一覧表
4.留学中に給料と手当がもらえる!
留学中にもらえる給料の概要
留学中にもらえる海外留学手当の概要
5.留学後5年未満で退職すると、留学費用を返還する必要がある
留学費用の返還対象者・返還金額の概要
実際、いくら返還しなければいけないのか。
6.語学力(特に英語)が不安な方にはこれらの記事を参考に!
今日の記事を読んで、1人でも多くの方が国家公務員として海外留学する夢を実現していただければ嬉しく思います!
なお、地方公務員の方は留学制度はほとんどないと思いますが、海外勤務するチャンスはあります!記事を参考にしてください!
コメントや質問は大歓迎だよ。コメント欄やお問い合わせフォームから何でも気軽に聞いて下さいね(コメント欄はこの記事の最下部です) ※いただいたコメントは全て拝見し真剣に回答させていただきます。
コメント