おしゃれなだけではない!フランス語の知られざる真の実力【その③:フランス語圏の人は英語が苦手?】

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おしゃれなだけではない!フランス語の知られざる真の実力【その③:フランス語圏の人は英語が苦手?】 フランス語コース

 こんにちは!フランス語圏に8年間滞在経験のある鈴木ケイタです。

 好評につき、フランス語の知られざる真の実力シリーズの第三弾をお届けします!この記事は、「英語さえできれば、全世界の人とコミュニケーションがとれる!」と思っている方にぜひ読んでいただきたいと思います。

 実際、私も英語しか勉強していなかった時は、英語=世界共通言語だと考えていましたが、実際にはフランス語圏の人は他の国に比べて、英語がそれほど得意ではないため、フランス語圏の人とのコミュニケーションにおいては、フランス語はまだまだ重要であるということを一緒に見て行きましょう。

 この記事は、フランス語を勉強している方のみならず、国際理解を深めたいと思っている方にも有益ですので、ぜひ最後まで読んでみてください!

ケイタ君
ケイタ君

フランス語圏の人って英語が苦手なの?英語とフランス語って似ているのに??

意外にもそうなんだよ。その理由を分かりやすく説明していくね。

鈴木先生
鈴木先生

この記事で分かること
・フランス語圏の人が英語が意外と苦手な理由が分かる
・英語だけできても、世界の多くの人とはコミュニケーションが取れないことが分かる

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英語ができれば、世界中の人と話ができるというのは大きな間違い!

 まず、フランス語の真の実力を説明する前に、英語ができれば、世界中の人と話ができるわけではない!という点をみていきたいと思います。ここでは中国を例に挙げて説明します。

 英語が全世界で通じないからこそ、フランス語を学ぶ理由がまだまだあるということを示していきたいと思います。

英語話者の数は、中国語話者の数より少ない

上海の夜景

 「おしゃれなだけではない!フランス語の知られざる真の実力その①」で「フランス語話者の数は約3億人います(在日フランス大使館HP)。実は、中国語、英語、スペイン語、アラビア語に次いで、世界で5番目に話されているのがフランス語なのです。」と紹介しましたが、nativeの話者数は中国語が一番多く、その次が英語ということになります

 意外にも英語話者の数は中国語話者の数より少なく、英語は、nativeの人数だけなら世界言語とは言えないでしょう

世界最大の人口を誇る中国では、ほとんど英語が通じない印象

ケイタ君
ケイタ君

でも、中国人って英語喋れる人がたくさんいるんじゃないの?それなら、英語でコミュニケーションを取れるから問題ないんじゃないの?

 ケイタ君の言うように、富裕層を中心に中国では英語を使える人が多いことは確かに多いと思います(次の章の日本と中国の英語ランキングの順位を見ると、中国の方が日本より上位に位置しています)。

 ただ、都市部の飲食店などで勤務する一般の中国人(多くは中国国内の地方から出稼ぎに来ている方のようです)に対しては、ほとんど英語が通じません。筆者の経験では、飲み物(drink)という単語すら、通じなかった経験があります。このような一般の中国人が中国の人口の大半を占めています。

 そのため、英語は世界ナンバーワンの人口を誇る中国では、あまり使えないと言ってもいいと思います。また、この英語が実はあまり通じないというのは、中南米などのスペイン語圏でも同様です(ことらは本題から外れるので、詳細は割愛させていただきます)。

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フランス語圏の人は意外と英語ができない

 次に、フランスなどの仏語圏の人がどれだけ英語ができないか見ていきましょう。英語の語学学校として有名な「Educational First」が2021年、112の国と地域の人200万人を対象に英語テストを行って、英語の流暢レベル(EF EPI)をまとめたランキングを見ていきましょう。

英語の流暢レベル(EF EPI)ランキング

 主な国々のランキングは以下の表のとおりです。下線が引いてある国が仏語圏の国です

欧州各国が上位を独占する中、フランスは31位と低迷

フランス北東部ストラスブールの街並み

 この表をざっと見てみて、皆さんはどのように感じましたでしょうか。まずフランスが31位に位置していて、上位の欧州諸国の中でもかなり下位に位置していることが分かるかと思います。同じ仏語圏のベルギー(6位)やルクセンブルグ(13位)は上位なのに、同じ欧州のフランスが31位って何でだろうって思われた方もいるのではないでしょうか(日本と比べたら、大健闘ですが・・・)。

 また、アフリカ系仏語圏も英語ランキングでは低迷しています。アフリカの仏語圏が低迷しているのは、教育資源の欠如などその他の要因が大きいと思うため、単純にフランス語圏だから英語ができないということは言えないかと思います

ケイタ君
ケイタ君

なんでフランス人は英語が苦手なのかな?あんなに言葉似ているのに・・・

 私もケイタ君のように、「なぜフランス人が英語があまり得意ではないか」と、長年疑問に思ってきましたが、どうやら「単純に他の欧州各国と比べて英語の授業時間が少ない」「実際に英語を使える機会が少ない」という単純な問題ではないということが少しずつ分かってきました

 次にフランス人が意外と英語ができない理由について考えていきたいと思います。

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フランス人が意外と英語ができない理由2選

モンサンミッシェル

フランス人がフランス語を大変誇りに思って、大事にしているから

 日本人の感覚からすると、自分の国の言語に誇りを持つという感覚に違和感を持つかもしれませんが、世界では例え小国であろうと、自分の国の言葉を皆さんとっても大事にしています。そういう方々にとって、言葉そのものが文化であり、自分たちのアイデンティティそのものなのです。

 フランス人もまさにこの感覚を持っています。私のフランス人の友人に対して、フランス人がなぜ英語ができないのかと質問したら、「フランス人がフランス語にとても誇りを感じているからだ」と回答されました。

 本当にそうかな?ってずっと疑問を抱いていましたが、フランス人と仕事をするたびに、「フランス人って本当にフランス語が好きなんだな」と実感します。裏を返すと、フランス人全員でないにしろ、英語ができないコンプレックスの現れだとも捉えることができます。

お願いごとをするときは、その国の言語でしてみよう!

 例えば、フランス人に仕事で何か依頼をするときは、必ずフランス語を使う必要があります。英語でいいじゃん!って思った方もいるかと思いますが、フランス人には英語より、フランス語でお願いした方が、こちらの依頼事項がスムーズに通ることや、相手の対応が良いことが多いです。 

 実は、これは我々日本人にも当てはまります

こんな人があなたの前に現れたとします・・・

 例えば、とある会社の会議でバリバリの外国人ビジネスマンがアタッシュケース片手に会議場に現れたとします。明らかにこの人できそう、THE外国人!というイメージを持って、話しかけてみたら、何と、流暢な日本語を話してきて、しかも礼儀作法や尊敬語も使いこなしている!!となったら、皆さんとっても安心しませんか

 安心してあれこれと余計なことまで話してしまったってことになると、ちょっと良くないかもしれませんが、この相手を安心させるという感覚は、ビジネス上ではとても重要な技術です

 ビジネスや外交の世界は相手との信頼関係で成り立っており、「これは我々だけの話だけど、○○大統領は○○っていう病気を抱えているんだ」みたいなことを教えてくれることもあります。

 そのような信頼を得るためにも相手の国の言葉を学ぶことは重要なのです

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フランス人は英語を使用する必要性にそれほど迫られていないから

 フランス語は世界言語であるため、フランス人や仏語圏アフリカ人はわざわざ英語を勉強する必要性が、他の国に比べて大きくありません

 「フランス人も英語ができないと、仕事や勉強で不便じゃないの?」って思われた方もいるかもしれませんが、フランス語の国際的な地位や現状を踏まえると、それほど英語を勉強する必要性は大きくありません。いくつか例を見ていきましょう。

外国の情報がフランス語で入って来る

ルーブル美術館

 まずは、身近な例で行くと、多くのものがフランス語に翻訳されています。フランスの書店に行くと、フランス人も好きな村上春樹といった多くの外国本がフランス語に翻訳されて、書店に並んでいます

 また、フランスには世界三大通信社であるAFP通信社があるように、フランスには世界各国から様々なニュースが入ってきます。フランス人は、フランス語で世界各国のニュースが見れるというと、「日本人だって、世界各国から様々なニュースが入ってきて、日本語でニュースが見れるじゃないか!」と思われた方もいるかもしれません

日本語で知りえる海外の情報は限られている

 しかし、日本に集まる情報はやはり英語圏のニュースの翻訳や、日本のマスコミの支社が置かれている国の情報が中心となります

 実際、NHKの在アフリカ支社は、エジプトと南アフリカしかなく、南アフリカの記者が事実上サブサハラ以南のアフリカ諸国全てをフォローしているという悲惨な状況下にあります。こんな状況で、特にアフリカの情報が日本に入ってくると思いますか?私はそうとは思えません。

   この点、例えば、フランスのラジオフランスインターナショナル(RFI)は仏語圏アフリカ諸国を中心に現地に特派員がいて、彼らからアフリカの現地情報がフランス語でフランスに送られて来ます

 確かにアジア、特に中国や韓国などの東アジアの情報は日本の本が上回っている印象ですが、フランス語のニュースネットワークの方が悔しいながらこの点は一枚もも二枚も上手だと認めざるを得ません。 そのため、少なくとも私が知る限り好き好んで、アメリカのCNNを見ているフランス人は日本人より少ないでしょう。

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英語とスペイン語だけで世界旅行ができるわけではない

 ちょっと語弊のありそうなタイトルをつけましたが、これには私が大学生の時に履修していた英語の授業が関係しています。その英語の授業について説明していきます。

英会話スクールのイメージ

 その英語の授業は教員1名(日本人)、生徒最大3名の英会話スクールのような授業でしたが、その時何語が話せるか?という話題になり、私は当時勉強していたドイツ語が少し話せると発言しました。そうしたら、その日本人教員は「私は英語とスペイン語が話せる。だから世界中を旅行することができる!」と自慢げに話していました。その時は羨ましいというか、そんなもんなんだという感情が強かったと記憶しています。

   しかし、フランス語を勉強すればするほど、フランス語の汎用性、フランス語しか通じない国の多さ、スペイン語はアフリカでは赤道ギニア以外使用できない点などを理解していきました

 今、あの教員の発言を改めて振り返ってみると、「アメリカ帰りの日本人教員で英語ができたとしても、必ずしも世界のことを俯瞰して見ることができておらず、自分の主観を話していることもあるんだな。やはり自分で自ら見聞きして経験しないと見方を誤るな。」と強く感じました。

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最後にまとめ

 今まで見てきた流れをまとめると以下のようになります。

本日のまとめ
1.世界最大の人口を誇る中国で英語がほとんど通じない(私見)
2.英語は思っていたほど、世界共通言語ではない
3.フランス人も意外と英語ができない(ランキング31位/112位)
4.フランス人はフランス語に誇りを持っており、フランス語であらゆる情報が入手できる

→そのため、(ざっくりまとめると)英語が世界的に意外と使えなくて、フランス人が英語あまりできないのなら、フランス語を勉強する価値はまだまだある!!

 次回もフランス語の知られざる真の実力を見ていきたいと思います!今日もありがとうございました!!

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