2024年7月7日、フランスでは、国民議会選挙の決選投票が行われました。結果は、左派連合1位、与党連合2位、国民連合と連携勢力が3位という予想外のものとなりましたね。
共和国戦線 (le front républicain)と呼ばれた「決選投票で極右候補の当選を阻止するため、極右政党以外の候補者に票を結集させる選挙戦術」が功を奏した結果となりました。
でも、今回の国民議会選挙の結果が2027年に予定されているフランス大統領選挙に大きな影響を与える可能性があることについて、私の考えをnoteにまとめてみました。本記事ではポイントを簡単に紹介させていただきます。
ポイント①:新人民戦線 (左派連合)と与党連合 (中道)は「反極右」という点でのみ選挙協力をしていた
新人民戦線と呼ばれた「左派連合」は中道の与党連合と「反極右」という点でのみ選挙協力をしていました。そのため、国民議会第一勢力の「左派連合」と国民議会第二勢力の「与党連合(中道)」は全く一枚岩になっていません。
両陣営の対立が深まれば、国民連合(極右)を利する結果になる可能性があります。
ポイント②:新人民戦線 (左派連合)の「移民歓迎政策」により、反移民に対する国民感情が高まる可能性がある
新人民戦線(左派連合)のマニフェストを読めば分かりますが、新人民戦線 (左派連合)の「移民歓迎政策」により、フランスへの移民の数が間違いなく増えることでしょう。
ただでさえ、反移民感情が一定数のフランス国民の中にあることを鑑みると、国民議会で第一勢力になった新人民戦線(左派連合)の政策により、この反移民感情がさらに高まる可能性があります。
ポイント③:左派連合内の第一勢力「不服従のフランス党 (極左)」に対する根強い不信感
私が知る限り、日本ではほとんど報道されていませんが、一定数のフランス人は「不服従のフランス党(極左)」やメロンション同党党首に不信感・警戒感を覚えています。新人民戦線が国民議会で第一勢力になったとはいえ、「極左嫌い」のフランス人が一定数いることは、見逃してはいけない点だと思います。
ポイント④:2027年大統領選挙にマリーヌ・ル・ペン氏は出馬する見込み
今回の国民議会選挙の結果がどうであれ、2027年に行われる見込みの大統領選挙にマリーヌ・ル・ペン氏(国民連合・極右)は間違いなく出馬するでしょう。
2027年の大統領選挙には、2期大統領を務めたマクロン大統領は出馬できません。仮にで出馬できたとしても、マクロン大統領は敗北する可能性が高いでしょう。誰が「マリーヌ・ル・ペン氏」の対抗馬として登場するにしても、国民議会選挙の結果はマリーヌ・ル・ペン氏の大統領就任に有利に働くと思います。
【参考】鈴木ケイタスクールとは?
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